高血圧の日

5/17は”高血圧の日”

日本高血圧学会と日本高血圧協会は、第30回日本高血圧学会総会において、毎年5月17日を「高血圧の日」と制定しました。

高血圧は、日本人の三大死因のうちの二大疾患である脳卒中や心臓病など、生命に関わる病気を引き起こす最も主要な原因となっています。

しかし、高血圧は自覚症状がほとんどなく、現在日本に約4,000万人と推定されている高血圧患者のうち実際に治療を受けているのはわずか2割の約800万人といわれています。

高血圧とは

高血圧とは、安静状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態をいいます。医療機関での計測値が140/90 mmHg以上、または自宅での計測値が135/85 mmHg以上であれば高血圧と判断されます。

高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、血管内はどんどん厚く、狭くなっていきます。
この状態を放置してしまうと、ますます血流が悪くなり、全身の細胞に充分な酸素や栄養分が送れなくなります。その結果、脳卒中や心疾患あるいは慢性腎臓病などの重大な病気につながる危険性が出てきます。

血圧を下げる生活習慣

高血圧と診断された方のほとんどが「本態性高血圧」が原因とされています。本態性高血圧とは、高血圧の原因となる基礎疾患を持っておらず、とくに原因が明確になっていない高血圧のことです。

本態性高血圧の原因として考えられるのが「肥満」「塩分の摂りすぎ」「加齢」「運動不足」「睡眠不足」「ストレス」といったものです。
本態性高血圧では、原因がひとつではなく複雑に重なり合っていることも多くありますが、生活習慣を改善することで血圧を下げることができます。

1.食生活を見直す

減塩を心がけましょう(1日の塩分摂取量は7~8gが目安)

カリウムが多く含まれる食品(りんごやバナナなど)、食物繊維が多く含まれる野菜・海藻類などを積極的に摂りましょう

不規則な食事や食べ過ぎ、早食いなどは肥満につながります。腹八分目を心がけ、1日3食バランスを考えて正しく摂りましょう

 

2.喫煙や過度の飲酒を控える

喫煙すると、末梢血管が収縮により血圧が上がります

さらに、お酒の飲み過ぎは血圧の上昇、カロリー過多を招きます

厚生労働省では、1日平均純アルコールで20g程度をお酒の適量としています

これは「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350mL缶1本」「ウィスキーダブル1杯」に相当します

 

3.ストレスを溜めない

ストレスは交感神経を刺激し、血圧を上げる原因となります

自分に合ったリラックス法を見つけ、上手にストレスをコントロールしましょう

 

4.十分な睡眠をとる

睡眠には副交感神経の働きを優位にし、心を落ち着かせる働きがあり、それが血圧を正常に保つ役割を果たしています

しかし、夜に眠れないと交感神経が高ぶったままになってしまうため、血圧が下がらず、高血圧の原因になってしまいます

良質で適度な睡眠時間を得られるように、生活習慣の改善に取り組むことも重要です

 

5.適度な運動を取り入れる

ウォーキングや水泳といった有酸素運動は血流が良くなるうえ、降圧作用のある体内物質やホルモンの分泌を促します

運動の効果は降圧だけではなく、肥満の改善、耐糖能障害や脂質代謝の改善、ストレス解消にも役立ちます

<関連リンク>

日本高血圧学会ホームページ