冬季に流行する感染症
寒さの厳しい季節がやってきました。
空気が乾燥し、気温の低くなるこの時期は、インフルエンザ・RSウイルスなどの呼吸器感染症と、ノロウイルス・ロタウイルスなどによる感染性胃腸炎など様々な感染症が流行します。
特にインフルエンザは、例年12月から3月にかけて流行しますが、今年は4月以降も継続して患者発生が報告されており、8月後半からは報告数が増加しています。
また、5月頃から増加傾向にある新型コロナウイルス感染症の報告数は、現在も多い状態が続いています。
今後、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症の同時流行が懸念されており、注意が必要です。感染を広げないために、一人ひとりが感染予防対策を心がけましょう。
風邪・インフルエンザ・コロナ それぞれの特徴とは
◎潜伏期間は5~6日
◎くしゃみや鼻づまりなど
◎初期の鼻水は透明だが、濃度のある黄色い状態に変化することが多い
◎咳(痰を伴う場合もある)
◎のどや鼻の違和感からはじまり、のどの痛みや声がれ、発熱などが現れる場合が多い
◎潜伏期間が短い(1~2日)
◎急な38℃以上の発熱
◎ひどい咳を伴う
◎鼻水はサラッとしている
◎関節痛や筋肉痛、頭痛などを伴う
◎発熱後、咳や鼻水などの上気道症状が現れる
◎重い病気を合併しやすい
◎10日程度で寛解・治癒する
◎潜伏期間が長い(2~14日)
◎37.5度以上の発熱、または発熱してもすぐに下がる場合もある
◎乾いた咳が多い
◎筋肉痛・強い倦怠感などを伴う
◎嗅覚・味覚に障害が起こることがある
◎咳や倦怠感などの症状が1週間以上長引く
普通の風邪でもみられる多くの症状は、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症の初期症状でも現れるため、症状だけでどの感染症か見分けることは困難と言われています。
また、インフルエンザは潜伏機関が平均2日と短いため、すぐに発症を自覚し、感染拡大を予防することができますが、一方でコロナウイルスは潜伏期間が長く、感染しても自覚症状がないために感染を拡大してしまう恐れがあります。
重症化リスクがある人、また多くの人が集まる場所では、手洗い・消毒やマスク着用などの基本的な感染対策を徹底することが重要となります。
感染症予防のために
感染症対策には、自らを感染から守るだけでなく、自らが周囲に感染 を拡大させないことが不可欠です。
<せきエチケット>
マスクの着用やせきエチケットは感染を拡げないだけでなく、自身の感染予防にも役立ちます。
●受診時や医療機関・高齢者施設などを訪問するとき
●通勤ラッシュ時など混雑した電車・バスに乗るとき
●ハイリスク者が感染拡大時に混雑した場所に行くとき
(※ハイリスク者…高齢者、妊婦、幼児、呼吸器や心臓などに慢性疾患がある人、病気や治療で免疫が衰えている人)
<予防接種>
インフルエンザや新型コロナ等のウイルスに対するワクチンの接種は、発症や重症化の防止に一定の効果が認められています。
<換気・消毒>
インフルエンザや新型コロナは飛沫感染や接触感染でうつります。
飛沫感染には、定期的に喚起する、空気の通り道をつくる、加湿器で湿度を高めるなどの方法が効果的です。
また、帰宅時に流水でしっかりと手洗いする、アルコールで手指を消毒するなどして接触感染を防ぎましょう。
<規則正しい生活>
栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な睡眠・休養を心がけましょう。
生活習慣を整えることは、免疫力アップにつながります。