男性も女性も要注意!「貧血」

「貧血」とは?

「貧血」とは、全身に酸素を運ぶ赤血球や血色素(ヘモグロビン)が低下し、全身に酸素を運ぶ働きが不足した状態のことを指します。
細胞に十分な酸素が行き渡りにくくなると、頭痛や疲労感、めまい、息切れなどの症状が表れます。
貧血は単に体内の鉄分不足だけでなく、消化器系・婦人科系の病気が隠れていたり、大きな病気の症状として現れている場合があります。
日々の不調を「いつものこと」で終わらせず、貧血について正しく理解することが、健康を守る第一歩になります。

貧血の主な原因

①鉄分不足
ヘモグロビンの合成に必要な鉄分が不足することにより、体内で赤血球がうまく作られず、酸素を運ぶ力が低下するために起こる「鉄欠乏性貧血」は最も身近な貧血の一つです。

食品からの鉄分の摂取不足のほかにも、女性は特に月経や妊娠などによっても鉄分が喪失されてしまいます。特に月経過多による鉄欠乏性貧血は、子宮内膜症や子宮筋腫など婦人科系の病気が隠れていることもあり、月経時にめまいなどが頻回に起こる場合は注意が必要です。

また、潰瘍・がん・痔など消化管からの出血が原因の場合もあります。

②鉄分以外の栄養素不足
鉄分以外にも、タンパク質・ビタミンB類・ビタミンC・亜鉛・銅などの不足が原因となって貧血が現れる場合があります。

特に高齢者の方は加齢に伴う食事量の減少などにより、これらの栄養素が不足しがちになるため、貧血につながりやすくなります。
ビタミンB12が欠乏して起こる貧血では味覚障害が伴うこともあり、さらに食欲を低下させる恐れもあり、注意が必要です。

その他にも、鉄の吸収を阻害する「タンニン」や「リン酸塩」、鉄の排出を促す「不溶性食物繊維」などの摂りすぎなども貧血を引き起こす要因となります。

③慢性疾患
感染症、悪性腫瘍、関節リウマチなどの自己免疫疾患、慢性腎不全、慢性肝疾患など、さまざまな疾患によって貧血が引き起こされる場合もあります。
疾患により慢性的に炎症が起こった状態になると、
・赤血球が壊れやすくなる
・炎症性物質(サイトカイン)の過剰分泌により、赤血球の産生が抑制される
・肝臓での鉄代謝調節ホルモンが過剰産生されるため、体内の鉄の利用が制限される
などが起こるため、貧血になりやすくなります。

 

④その他の原因

ストレス、睡眠不足、妊娠・授乳・成長期などによる鉄分の需要増加、過度な飲酒なども貧血を引き起こす場合があります。

また、激しいトレーニングによって汗による鉄の排出が増え、さらに足底部の圧力により血球が壊れる「溶血」による貧血などもあります。

貧血の主な症状

貧血になると、全身に十分な酸素が供給されないことにより、さまざまな症状が現れます。ただし、貧血が軽いうちや進行が遅い場合には自覚症状が乏しく、健診等で偶然見つかることも多くあります。
健診で貧血を指摘されたり、下記の自覚症状がある場合は、放置せず医療機関を受診しましょう。

全身の症状 めまい・ふらつき、倦怠感、動悸・息切れ、頭痛・頭重感、耳鳴り、むくみ
見た目の症状 顔色が悪い、爪の変化(爪が反り返る、割れやすいなど)、抜け毛が増える
その他の症状 集中力の低下、異食症(氷などを無性に食べたくなる)
気づきにくい『かくれ貧血』

「かくれ貧血」とは、血色素(ヘモグロビン)の濃度は正常であるのに、体内の貯蔵鉄(フェリチン)が不足しているために起こる貧血症状のことを指します。
フェリチンは、全身のあらゆる細胞に存在し、体内に鉄を貯蔵する働きをもつタンパク質の一種です。
食事からの鉄分の摂取が不足すると、フェリチンが必要に応じて血液中に放出されるため、体内にため込まれた鉄分が不足し、貧血症状が現れます。
しかし、健診では主に血色素(ヘモグロビン)の濃度のみを調べることが一般的であるため、フェリチン不足による貧血だと気づかず放置してしまう場合もあります。
もし健診で貧血と診断されていなくても上記のような自覚症状がある場合は、医療機関で相談のうえ詳しく検査してみましょう。

貧血の改善・予防方法

貧血の多くは鉄分やビタミンB12などの栄養素が不足していることが原因となります。
貧血の改善のためには、主食・主菜・副菜がそろったバランスの良い食事をとることが重要です。
鉄分

鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」と呼ばれる2種類があります。


「ヘム鉄」肉や魚に多く含まれている。タンパク質に包まれているため、吸収されやすく胃腸への刺激が少ない。
▸赤身の魚や肉類、レバー
▸貝類(しじみ、牡蠣など)

「非ヘム鉄」野菜や穀物に含まれる。胃腸を刺激しやすく、吸収されにくいが、ビタミンCや動物性たんぱく質と一緒に摂ることで吸収率を上げることができる
▸ほうれん草、小松菜
▸ひじき、のり

たんぱく質

たんぱく質は赤血球やヘモグロビンの材料となる栄養素です。また、肉・魚・卵・乳製品などの動物性たんぱく質には、非ヘム鉄の吸収率を高める働きがあります。
特に赤身の肉や魚は鉄分・ビタミンB12・たんぱく質などが同時に摂れるため、貧血の改善予防に効果があります。
ただし、たんぱく質は一度に吸収できる量が決まっているため、毎食20g程度を目安にさまざまな食品を組み合わせてバランス良く摂ることが重要です。

▸肉、魚、卵
▸チーズ、牛乳
▸豆腐、納豆

ビタミン類

葉酸やビタミンB12が不足すると赤血球が正常に成熟できず、巨大で未熟な赤血球が作られ、貧血を引き起こします。
また、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きがあるため、不足すると鉄欠乏性貧血のリスクが高まります。

<ビタミンB12を含む食品>
▸レバー、赤身の

▸貝類(しじみ・あさり)
▸牛乳・チーズ

<葉酸・ビタミンCを含む食品>
▸キウイフルーツ
▸いちご
▸ブロッコリー
▸芽キャベツ
▸パプリカ

⚠注意したいもの

貧血を予防するためには、鉄の吸収を阻害する栄養素や食品の摂り方も重要です。
不溶性食物繊維・リン酸塩の過剰摂取を控えたり、食前後30分はタンニンを含む飲料を控えましょう。
また、多量のアルコールも代謝の際にビタミンB群が過剰に消費されるため、貧血を招く恐れがあります。

<タンニンを多く含む飲料>
コーヒー・緑茶・紅茶・ウーロン茶

<不溶性食物繊維を多く含む食品>
玄米・ごぼう・おから・穀類

<リン酸塩を多く含む食品>
加工食品(ハムやソーセージ)・インスタント食品・練り製品・清涼飲料水

<関連リンク>

貧血・かくれ貧血(働く女性の心とからだの応援サイト)

鉄|e-ヘルスネット(厚生労働省)

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