パープルデー(てんかん啓発の日)

パープルデーとは

毎年3月26日は「パープルデー(てんかん啓発の日)」です。
「パープルデー」は2008年、カナダに住む当時9歳の女の子が自身のてんかんとの闘いをきっかけに設立しました。
パープルデーは、てんかんに関する誤解を解き、発作に苦しむ人々に「あなたは一人ではない」と知ってもらうこと、この病気について人々に語ってもらうことを目的としています。

「パープルデー」は、いまや世界中に賛同の輪が広がっています。

てんかんとは?

「てんかん」とは、脳内の神経細胞が過剰に興奮することにより「てんかん発作」を繰り返し起こす慢性的な脳の病気です。

意識障害やけいれん、体の麻痺、感覚異常、自律神経の乱れなど、脳の機能する部位によって様々な症状が現れます。

「てんかん」は乳幼児期から老年期までに幅広くみられ、生涯を通じて1回でも発作を経験する人は人口の約10%、有病率は100人に0.5~1人と言われており、誰もがかかる可能性がある病気と言えます。

てんかん発作の分類

てんかんの原因はさまざまありますが、大きく2つに分けることが出来ます。

症候性てんかん
脳出血や脳梗塞、アルツハイマーなどの病気、出産時のトラブルなどによる脳障害など、脳に明らかな病変が原因となって起こるもの
 
特発性てんかん
明らかな病変がなく、原因が不明なもの


また、てんかん発作は脳の一部分が興奮しておこる「部分(焦点)発作」と脳の大部分または全体が興奮しておこる「全般発作」、両者に分けられない「分類不明の発作」の大きく3種類に分けられます。

部分発作(焦点発作)
脳のある部分から起こる発作。
どの部分から電気的興奮が起こるかによって、発作のはじまりの症状が変わる。

 

①単純部分発作
脳の局所的な過剰興奮により発生する発作。発作中でも意識が保たれる。

 ●運動機能障害(手足・顔などのつっぱり、けいれん・痺れなど)
 ●視覚や聴覚の異常(光がチカチカ見える、実際には無いものが見える・聴こえるなど
 ●吐き気や頭痛、胸やけなど


②複雑部分発作
意識障害を伴う発作。発作中にいろいろな行動をとるものの、意識がないために発作後にその時のことを覚えていないのが特徴。

  • 急に動作が止まり、一点を見つめたまま数秒~数分間反応がなくなる
  • ボーッとしたり、無意味な動作を繰り返したりする
全般発作
発作のはじめから大脳の両側の広い範囲で過剰な興奮が起こる発作。

発作時には前兆症状がなく、最初から意識障害が起こるのが特徴。

①強直間代発作
突然意識を失い、全身の硬直と細かくけいれんを起こした後、一定のリズムで手足をガクガクと曲げ伸ばしするけいれんが起きる発作。
数十秒~数分間続き、発作後は眠りに移ることもある。

②欠神発作
数秒〜数十秒間、突然意識がなくなり、動きが止まる発作。発作はごく短いため、本人や周囲も気づかないことがある。

③脱力発作
突然全身から力が抜け、崩れるように倒れてしまう発作。転倒による外傷のリスクがあるため注意が必要。

④ミオクロニー発作
体の一部分または全体がごく短い時間でピクッと収縮する発作。
持っているものを落としてしまうこともある。
主に10代から20代の若年期に多く、寝起きや寝不足時、光刺激で誘発されやすいのが特徴。

てんかんかな?と思ったら

てんかんは早期診断・早期治療が望ましいため、少しでもてんかんを疑う症状がある場合は精神科・脳神経内科・脳外科のある病院を受診しましょう。

  • 初めて意識を失ったり、けいれんが起こった
  • 一時的に意識を失ったり、一点を見つめたまま動かないなど、呼びかけに反応しない時間が度々ある
  • 自動症(口をモグモグさせる、唇や舌を鳴らす、手をもぞもぞと動かすなどの動作)を繰り返す
  • 体の一部または全体が意図せずけいれんする
  • 頭部外傷後に発作が起きた

 

てんかんの診断には発作が起こったときの症状や状況を可能な限り記録しておくことが重要です。

「いつ」「どこで」「どんな症状で」「どれくらい続いたか」「意識は保たれていたか」「発作後の症状」など、自覚症状や目撃した情報を出来る限り詳しく正確に伝えることが、医師の診断の助けとなります。
もし可能であれば発作時の様子を動画で撮影し、診察時に持参することも有効な手がかりとなります。

てんかんの診断には詳しい問診のほか、脳波検査、CT・MRI検査、血液・尿検査などが行われ、適切な治療方針が決まります。

また、てんかんの治療には抗てんかん薬治療、食事療法、免疫療法、てんかん外科治療などの特殊療法があります。その中でも60~70%の患者さんは薬物治療で発作が抑制されると言われています。

てんかん発作が起きた時は

目の前で突然てんかん発作を起きた時、多くの人は驚き慌ててしまうでしょう。
しかし、てんかん発作は通常であれば数分で落ち着くことが多くあります。目の前でてんかん発作が起こったら、周りの方はまず落ち着いて行動することが大切です。

発作時の対応

①身の回りの安全を確保する
 火や刃物などの危険物などを遠ざけ、安全な場所へ避難させましょう。

②楽な体勢を取らせる
 頭の下にタオルなどを敷いて保護し、衣類のボタンやベルトを緩めましょう。
 また、ヘアピンや眼鏡などは外しておきましょう。


③けいれんが起きた時間を確認し、様子を観察する
 けいれんが始まった時間や発作の種類(強直間代、脱力、欠神など)を確認し、そのまま様子を見ます。もし5分以上けいれんが続いていたり、意識が回復しないまま発作を繰り返すなどの場合には救急車を呼びましょう

④発作後の状態を確認する
 発作後は意識がもうろうとしたり、そのまま眠ってしまう場合があります。
 眠った場合は、自然に意識が回復するまでそのまま眠らせておきましょう。
 また、発作中や発作後に嘔吐することがあるため、横向きの体勢にしましょう。 


発作中にしてはいけないこと
・体を揺すったり、大声をかける
過度な刺激が脳の興奮を助長したり、パニックを招いて呼吸困難や怪我につながる危険性があります。

・口の中に無理やり指やタオルなどを詰める
『舌を噛んでしまうのでは』と心配になり、口の中に指やタオルなどを入れるのはかえって危険です。口の中を傷つけたり、嘔吐を誘発して窒息してしまう恐れがあります。

・叩いたり、体を押さえつける
無理に押さえつけるとケガや骨折の原因になります。
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