10月10日は転倒予防の日
10月10日は日本転倒予防学会が制定する「転倒予防の日」です。
家の中や家の周りで、つまずいたり滑ったりして転びそうになったことはありませんか?
転倒は骨折・頭部外傷などの大きなケガにつながりやすく、たった一度の転倒から寝たきりになることもあります。
厚生労働省の調査によると、高齢者の介護が必要となった主な原因の4番目に「骨折・転倒」が挙げられています。
また、高齢者の「転倒・転落・墜落」による死亡者数は「交通事故」による死亡者数の約4倍に上るとの調査結果が発表されました。
事故を防ぐためにも生活環境をチェックして、転倒の原因を減らしましょう。
転倒の主な原因
(1)加齢による身体機能の低下
高齢になるにつれて身体機能が徐々に衰えるため、バランスを崩しやすくなったり、とっさの反射的防御動作がすばやく力強く行えなくなります。
また、加齢とともに本人が思っている動作と実際の動作に差が生まれ、思ったとおりに動けず転倒してしまうこともあります。
(2)病気や薬の影響
服用している薬の副作用などで立ちくらみやふらつきが起こるなどして、転倒しやすい状態になっている場合があります。
(3)運動不足
日常的な身体活動が減少して、運動機能や感覚機能が弱まり、その結果、転倒のリスクが高まります。
(4)生活環境
住み慣れた自宅であっても、わずかな段差につまずく・濡れた床で足をすべらせる・置いてある物につまずくなど、転倒するリスクはたくさん潜んでいます。
転倒を予防する方法
高齢者の転倒は対策をしっかりすることで回避できる可能性が高まります。
家の中には、高齢者がつまずいたり足を滑らせたりするきっかけになる物や場所が意外と多くあります。
「ここは危険かも知れない」というポイントをみつけたら、早めに改善しましょう。
・明るい照明に変える
・床や階段に物は置かない
・電気コードにカバーをつける、不必要な電源コードは抜く
・ カーペットに滑り止めマットを敷く、またはカーペットを外す
・ スリッパをルームシューズなどに替える
・ 段差になっている箇所にはスロープ等をつける
・ 階段や段差のあるところ、よく使う通路に手すりをつける
高齢者が転倒する原因の一つに筋力低下やバランスが取れないことがあります。
散歩や体操など、体を動かす習慣をつけて、筋力やバランス力をつけることはとても大切です。
特に下半身の筋肉を維持するためのトレーニングや体操は、転倒予防に効果的です。
高齢者にとって、バランスのよい食事を摂ることは非常に重要です。
高齢になると、「胃や腸などの消化機能の低下」「噛む力や飲み込む力の衰え」「食への興味の薄れ」などから食欲が低下したり、食事内容が偏りやすくなります。
さらに、体を動かす機会が減ることで空腹を感じにくくなり、食事量がますます減っていき、「低栄養」の状態が起こりやすくなります。
低栄養状態が長い間続くと、「フレイル」「サルコペニア」「ロコモティブシンドローム」と呼ばれる身体機能低下の引き金にもなります。
1回の食事をたくさん摂れない時は、1日3食にこだわらず回数を増やしたり、おやつの時間を設けたりしましょう。