健康寿命と平均寿命
『健康寿命』とは、世界保健機関(WHO)が提唱した新しい指標で平均寿命から寝たきりや認知症など介護が必要な状態となった期間を差し引いた日常生活に制限のない期間を指します。
『平均寿命』は、人が死亡する年齢の平均値のことであり、日常的に介護を必要とする人まで含まれます。
2021年の日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳です。
健康寿命は、2019年時点で男性が72.68年、女性が75.38年となっており、健康寿命を長くすることにより、平均寿命との差をうめていくことは、国としての重要な課題となっています。
スマート・ライフ・プロジェクト
「健康寿命をのばそう。」をスローガンに、国民全体が人生の最後まで元気に健康で楽しく毎日が送れることを目標とした厚生労働省の国民運動です。
①運動、②食生活、③禁煙、④健診・検診の受診の4分野を中心として具体なアクションを呼びかけており、プロジェクトに参画する企業・団体・自治体と協力・連携しながら推進しています。
息切れをしない程度に早歩きするだけでも立派な「運動」になります。
生活習慣病の予防に効果がある運動として、早歩きはすでに科学的に実証されています。
ちょっとした移動時間に、一日10分間の運動習慣。
少し汗ばむくらいの運動強度で十分に効果があります。
私たち日本人が普段の食事から摂取している野菜の量は1日250gほどです。
生活習慣病予防の観点から見るとあと70gほど野菜の摂取量が足りません。
1日に+100gの野菜摂取で健康寿命を延ばしましょう。
生野菜ではなく温野菜にするとかさが減って食べやすくなるうえに、野菜そのものの味や食感も変化するので食事自体も豊かになります。
たばこには4000種類にも及ぶ有害物質が含まれており、肺がんをはじめ、多くのがんや、心筋梗塞、脳梗塞などの循環器疾患、慢性気管支炎、 肺気腫など、数多くの疾患に深く関係しています。
さらに受動喫煙によって、周りの人たちも煙を体内に吸い込んでしまいます。
自分や周りの人のため、できるだけ早く禁煙に取り組みましょう。
「健診」…いわゆる「健康診断」のことで、自分自身の健康状態を調べ、病気の兆候がないかを調べるものです。様々な病気の早期発見・早期治療や、病気そのものを予防することを目的に行われています。
「検診」…「がん検診」など、特定の病気を発見するために行う検査のことを指し、病気を早期発見し、早期治療につなげることを目的としています。
初期では自覚症状が無いという病気は少なくありません。
早期に発見し、対処していくためには、無症状のうちから定期的に健診・検診を受け、自分のからだの状態を知っておくことが重要です。