骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の代謝バランスが崩れ、骨形成よりも骨破壊が上回る状態が続いたために、骨密度が減ったり、骨の質が低下することで骨折しやすくなる病気のことを指します。
骨粗鬆症は高齢の方だけが罹る病気と思われがちですが、若年層でも生活習慣が原因となって骨粗鬆症を引き起こすこともあります。
骨粗鬆症の原因や予防を正しく知り、早期から対策を行っていきましょう。
骨代謝と骨粗鬆症
骨は常に古い骨から新しい骨に作り替える新陳代謝を繰り返しています。
破骨細胞によって骨が壊されて吸収された後、骨芽細胞によって新しい骨が作られており、健康な成人では、この吸収と形成のバランスが保たれています。
骨粗鬆症を発症する80%以上は女性といわれていますが、その原因は閉経後の女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量低下にあります。
エストロゲンは、骨吸収のスピードを緩やかにし、骨から血中へカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。
しかし、閉経によってエストロゲンが急激に低下すると、骨形成よりも骨吸収のスピードが上回るようになり、骨密度が低下していきます。
そのほか、無理なダイエットや運動不足・喫煙・過度の飲酒・偏った食生活などの生活習慣も骨粗鬆症のリスクを高める原因となります。
骨の健康度チェック
自分で骨の健康度をチェックしてみましょう。
参考:公益財団法人 骨粗鬆症財団
食事と運動で骨粗鬆症予防
①バランスのよい食生活を送りましょう
骨粗鬆症の予防には、体重や筋肉を維持するために適切なエネルギーやたんぱく質、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取することが重要です。
食事の回数や量が少なくなると、骨をつくるために必要な栄養素を十分に摂取できなくなってしまいます。
1日3食、バランスの取れた規則正しい食事を心がけましょう。
また、骨をつくるためにはカルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンD・カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促すビタミンKなども積極的に摂りましょう。
②骨に刺激を与える適度な運動を取り入れましょう
骨は、負荷の大きさや負荷がかかる回数が多いほど骨をつくる細胞が活発になり、強くなる性質があります。
毎日30分程度のウォーキングや散歩を取り入れたり、階段を使う頻度を増やすなど、日常生活のなかでできるだけ運動量を増やしましょう。
また、散歩中に紫外線を浴びることによって、体内でビタミンDが作られます。運動を兼ねて積極的に外出する機会を作りましょう。
③良い生活習慣を意識しましょう
骨粗鬆症を予防するためには、避けた方が良い食品や生活習慣があります。
・スナック菓子やインスタント食品
→カルシウムの吸収を阻害するリンが多く含まれています。
・塩分の過剰摂取
→体内のカルシウムの排出を促したり、高血圧によって骨を吸収する破骨細胞が増加する危険性があります。
・カフェイン・アルコールの過剰摂取
→利尿作用によってカルシウムの排泄を促進してしまいます。
コーヒーなら1日5杯程度、アルコールなら1日1合程度に抑えるようにしましょう。
・喫煙
→喫煙は骨代謝のサイクルに異常を起こしたり、カルシウムやビタミンDの吸収や、エストロゲンの分泌をも阻害してしまいます。
また、最近では喫煙は骨折や骨粗鬆症のリスクを高めるだけでなく、骨折してから治るまでの時間も長引かせることがわかってきました。
骨粗鬆症の予防のためにも、禁煙を考えてみてはいかがでしょうか。