季節の変わり目に要注意
11月は風邪や感染性胃腸炎、インフルエンザなどの感染症が流行する時期です。
なかには、風邪だと思っていたら実は肺炎だった、というケースもあります。
よく「風邪をこじらせると肺炎になる」と聞いたことがあるかも知れませんが、風邪と肺炎はまったく異なる病気です。
風邪と勘違いしたことによって治療のタイミングが遅れてしまい、早期に適切な治療を始められない場合があります。
風邪と肺炎の違いを知り、しっかりと予防していきましょう。
風邪と肺炎の違い
風邪と肺炎は症状が似ていることから気づかないうちに重症化していることもあります。
風邪と肺炎の大きな違いは感染が起こる部位です。
風邪では上気道や下気道(気管・気管支など)がウイルスや細菌に感染して炎症を起こします。
一方、肺炎では肺野の中の肺胞や気管支の末端で炎症を起こします。
肺胞に障害が生じると、息切れ、黄色~緑色や鉄さび色のたん、38度以上の高熱などの症状が長く続き、風邪よりも症状が重くなります。
特に気をつけたい、高齢者の肺炎
65歳以上の高齢者では、肺炎の典型的な症状があまりみられず、気づかないうちに重症化する危険性 があります。
また、免疫力の低下に加え、誤嚥などによっても肺炎を発症しやすくなります。
高齢者の肺炎は入院が必要となるケースも多く、入院をきっかけに認知症の進行が進んだり、足腰が衰えたりします。
普段と違う様子が続く場合は医療機関を受診しましょう。
【様子の変化】
・いつもより元気がない
・食欲がない
・寝てばかりいる
・声をかけても反応が薄い など
肺炎の予防
①予防接種を受けましょう
成人が日常でかかる肺炎の原因菌としては、肺炎球菌が一番多いといわれています。
肺炎で亡くなる方の多くが65歳以上であることから、特に高齢者では肺炎球菌による肺炎などを予防することが重要になります。
また、インフルエンザから肺炎に進行する危険もあるため、インフルエンザワクチンの接種も推奨されています。
②感染対策をしっかり行いましょう
肺炎の原因となる病原微生物の多くは、口や鼻から吸い込んだり、手の指などから口を経由して体の中に入り込みます。
外出の際のマスク着用、外出後の手洗い・うがいの徹底を行うことが有効です。
③免疫力を高めましょう
肺炎の原因となる病原微生物から身を守るためには、免疫力を高めることが重要です。
偏った食生活やストレス、寝不足や過労が続くと、免疫力が低下してしまいます。
食事や睡眠をしっかりととり、適度な運動を心がけましょう。