薬と健康の週間
「薬と健康の週間」は、医薬品を正しく使用することの大切さ、そのために薬剤師が果たす役割の大切さを一人でも多くの方に知ってもらうために、ポスターなどを用いて積極的な啓発活動を行う週間です。
日本薬剤師会では、1949年(昭和24年)に「全国薬学週間」が開催されたことを契機として、1978年(昭和53年)から「薬祖神祭の日」である10月17日を初日とする1週間を、「薬と健康の週間」とし、活動しています。
正しく知ろう、薬とリスク
薬には、病気やけがを治したり軽くしたりする「作用」がある一方で、望ましくない働きである「副作用」を引き起こすことがあります。
副作用は、薬を使用すると必ず起こるわけではありません。
また、副作用の症状の現れ方には個人差があります。
人によっては重い副作用の症状を引き起こす可能性もありますので、薬を使用して異常を感じたら、すぐに医師や薬剤師などの専門家に相談しましょう。
医師または歯科医師の診断・処方に基づいた使用が義務付けられている医薬品です。
主に、医師がその人の病気、症状、体質、年齢などを考えて処方する処方箋に基づいて調剤される処方箋医薬品が該当します。
薬局やドラッグストアなどで自分で選んで買える「要指導医薬品」と「一般用医薬品」のことです。英語の「Over The Counter」の略で、カウンター越しにお薬を販売するかたちに由来しています。
分類に応じて薬剤師や登録販売者が販売します。
ポリファーマシーに注意
「ポリファーマシー」とは、多くの薬を服用することにより、副作用などの有害事象・薬の飲み間違いや飲み残し・服薬アドヒアランス(治療方針に納得し、きちんと薬を服用できている状態)の低下などの問題につながる状態を指します。
特に高齢者は加齢による身体的・精神的機能の低下とともに複数の慢性疾患にかかるため、飲む薬の種類や量が多くなってきます。
国内では薬物有害事象の発現頻度が6剤以上で上昇するという報告から、多くの場合、6剤以上がポリファーマシーの目安とされています。
ポリファーマシー回避のポイント
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- おくすり手帳は1冊にまとめましょう。病院ごと・薬局ごとで分けてしまうと、服薬中の薬の把握が難しくなります。
- OTC医薬品やサプリメント・健康食品などが影響し、薬の効果が増減することがあります。相談の際はこれらの服薬履歴についても伝えましょう。
- 新しい薬が追加されたり、薬が変更になった時は、体調に変化がないか注意しましょう。
- かかりつけ薬剤師をもち、飲んでいる薬の情報を共有してもらいましょう。
薬の正しい使い方
薬局で薬をもらった時・OTC医薬品を購入した時には必ず説明書(薬剤情報提供書・添付文書)がついてきます。
薬の効果・効能、薬を飲むタイミングなどの他に、副作用や保管の際の注意など、大切な情報が記載されています。
薬を使用する前によく確認しておきましょう。
また、必要な時にすぐ読めるように分かりやすい所に保管しておきましょう。
薬は説明書に書いてある用法・用量で飲むことが重要です。
決められた用量より多く飲んだからといって効果が増えることはなく、逆に副作用や中毒が起きる場合もあります。
さらに、用法(飲むタイミング)を守らずに飲んだ場合も、薬が効かなかったり、副作用が現れたりすることがあります。
薬は決められた用法・用量を正しく守りましょう。
また、カフェインの入った飲み物や柑橘類のジュースなど、薬と相性の悪い飲み物もあります。薬はコップ1杯の水かぬるま湯で飲みましょう。
薬は、医師がその人の症状や体質・年齢などを考慮して処方しています。
仮に症状が落ち着いたとしても、自己判断で勝手に薬を中止したり、量を減らしたりしないようにしましょう。
服薬について不安な時は、医師や薬剤師に相談しましょう。
また「症状が似ているから」「よく効いたから」といって、自分の薬を他の人に渡してはいけません。
①高温多湿を避ける
薬は、湿気・光・熱などの影響を受けやすく、保管の仕方が悪いと薬の成分が変わってしまって効果が期待できなくなったり、品質が変わってしまう場合もあります。
特に指示がない場合は、高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管しましょう。
また、冷蔵庫での保管を指示された薬は、凍らせないように注意しましょう。
②子どもの手の届かない場所に保管する
子どもの誤飲事故のうち、16.8%が医薬品・医薬部外品です。
薬は子どもの手の届かない場所で保管しましょう。
また、薬や飲み終わった薬のシートなどを捨てるときにも、子供の目に触れないように注意が必要です。
③薬以外のものと保管するのは避け、古いものは処分する
薬以外のものと保管していると、誤って使用してしまう可能性があります。
食品・農薬・殺虫剤・防虫剤などと一緒に保管するのは絶対にやめましょう。
また、使用期限を過ぎていたり、見た目に異常がある薬の使用はやめましょう。使用期限を過ぎた古いOTC医薬品は、未開封でも捨てましょう。
医師から処方された薬は、処方された日数で使い切るようにし、飲み残しがある場合は、薬局に相談しましょう。