寒暖差の大きい春こそ体調不良に要注意
春は、日々の寒暖差や気圧変動が大きい季節です。
この寒暖差や気圧差によって自律神経が乱れ、心身に不調をきたすことを「春バテ」といい、3月〜4月にかけて多くなる季節の症状です。
さらに、春は生活面などでも変化の多い季節です。環境の変化によって体と心にストレスを与えてしまうことで、自律神経が乱れがちになってしまいます。
特に高齢者は体の機能が若い頃に比べて落ちているため、体調を崩してしまうと長引いてしまうことも少なくありません。
春バテの原因や予防法を知り、毎日を元気に過ごしましょう。
春バテの原因
春バテの大きな原因は「自律神経の乱れ」にあります。
『自律神経』とは、自分の意志とは関係なく自動的に働く神経のことであり、興奮状態にさせる「交感神経」とリラックス状態にさせる「副交感神経」がバランス良く働くことによって体温や心拍数、血圧などを制御し、体の調和を保つ役割を果たしています。
しかし、春は寒暖差や気圧差の変動が非常に大きく、自律神経はそれに対応するために過剰に働き、必要以上のエネルギーを消費してしまいます。その結果、自律神経のバランスが崩れ、春バテの原因となる様々な精神的・身体的症状を引き起こされてしまいます。
春バテを予防するために
①バランスの良い食事を心がける
自律神経を整えるためには、1日3回規則正しく、バランスの良い食事を摂ることが重要です。
ビタミンには自律神経のはたらきを正常に保つはたらきがあるものが多く、カルシウムには不眠解消や脳が興奮することを抑える働きなどがあります。
特に朝食を摂ると体内時計がリセットされるとともに、胃腸のはたらきが促され、自律神経のバランスを調節する効果が期待できるといわれてます。
②入浴で体を温める
入浴すると副交感神経が優先的に働いてリラックス効果をもたらし、さらに血行を促進させるため自律神経が整います。
ただし、急激な気温差による「ヒートショック」には注意が必要です。
自律神経の働きが低下している人は血圧のコントロールが適切にできず、ヒートショックのリスクが高くなるといわれています。
また、熱すぎる温度での入浴は交感神経が刺激されてしまい、リラックス効果を得られません。お湯につかる際には、38~40℃と少しぬるめに設定し、10分ほどで上がるように心がけましょう。
③適度に体を動かす
身体を動かすことで血流の改善と老廃物の排出が促され、セロトニンなどの自律神経を整える働きをもつホルモンも活性化されます。
さらに適度な運動は副交感神経の働きを促進させるほか、筋肉がつく・骨が丈夫になる・代謝が良くなる・質の良い睡眠が得られるなどの効果も期待できます。
ストレッチや散歩など、手軽に続けられる運動から始めてみましょう。
④質の良い睡眠をとる
寝不足があると疲労が蓄積し、交感神経が高まった状況が続きます。「コルチゾール」と呼ばれるストレスホルモンの分泌が多くなり、副交感神経が抑えられて、リラックスできなくなります。
質の良い睡眠をとるためには、①入浴は寝る1~2時間前に済ませる、②寝る前の光刺激(照度の高い照明、テレビやスマホの使用)を避けるなどの方法が効果的です。