4/24~4/30は世界予防接種週間です
4月24日から30日は世界予防接種週間です。
世界予防接種週間は、ワクチンの重要性について再認識してもらうことを目的に、2011年に世界保健機関(WHO)によって制定されました。
かつては多くの子どもたちが亡くなったり、後遺症が残るほどの重い感染症が多くありましたが、現在ではさまざまな予防接種が開発されたことにより、感染症による死亡や後遺症は激減しました。
予防接種は、受けた人の病気に対する免疫機能の強化や重症化を予防する目的があります。
また、多くの人が予防接種を受けることによって「集団免疫」が獲得され、予防接種を受けられない人を守ることにもつながります。
私たち自身のため、周りの人のためにも、予防接種を正しく受けましょう。
ワクチンとは
ワクチンとは、ウイルスや細菌などの病原体の毒性や、病気になる性質を弱めたものや感染力をなくしたものです。
このワクチンを前もって投与しておくことにより、感染症に対する免疫を高めその病気に罹りにくくすることを『予防接種』といいます。
一方でワクチンを接種すると、体がその病原体に感染したときと似たような環境になるため、体内の免疫システムが反応し発熱や倦怠感、頭痛などの症状が表れることがあります。
これを『副反応』と言い、体が免疫を獲得している証拠ともいえます。
ワクチンには大きく分けて4つの種類があります。
生きた病原体(ウイルスや細菌)の毒性を弱めたもの。自然に感染した時と同じ流れで免疫ができるので、1回の接種でも比較的強い免疫を作ることができる。
例:BCG・MR(麻しん風しん)・水痘・おたふくかぜ など
ホルマリンや紫外線などで病原体の感染力や毒性を完全になくし、免疫を作るのに必要な成分だけを製剤にしたもの。1回の接種 では免疫が充分にはできないため、決められた回数の接種が必要。
例:B型肝炎・HiB・小児肺炎球菌・日本脳炎・HPV・インフルエンザ など
細菌の毒素を取り出し、毒性をなくして免疫を作る働きだけにしたもの。
例:ジフテリア・破傷風 など
ウイルスを構成するタンパク質の遺伝情報を接種するもの。接種された遺伝情報をもとに、体内でウイルスのタンパク質が作られ、そのタンパク質に対する抗体が作られることによって、免疫が獲得できる。
例:新型コロナ
定期接種と任意接種
予防接種には、法律に基づいて市区町村が主体となって実施する「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。主な違いは下記のとおりです。

定期接種と任意接種の違いは制度上のものだけであり、いずれも感染予防のために重要なワクチンであることには変わりありません。
今は任意接種となっているワクチンでも、効果や安全性などのデータが十分に揃えば、定期接種のワクチンとなる可能性があります。
ワクチンで防げる病気「VPD」
ワクチンで予防できる病気のことをVPD(Vaccine Preventable Diseases)と言います。
特に、赤ちゃんはお母さんから受け継いだ免疫が薄れてくる時期、病気にかかりやすい年齢や重症化しやすい年齢などに応じて接種する必要があります。
予防接種法に基づく定期接種では、病気ごとに定められた接種期間があり、適切な期間内に忘れないように接種することが重要です。
また、子どもだけでなく大人でも接種を検討すべきワクチンがあります。
病気にかかりやすい人や、かかってしまった場合に重症化しやすい人、妊娠中の方やそのご家族、過去の予防接種制度によって、現在必要とされている予防接種を受けていない人などは、大人になってからでも接種は必要です。
さらに、海外への渡航の機会がある人も、日本に感染症を持ち込まないためにも注意が必要です。
予防接種を受ける前・受けた後の注意点
・ご自身やお子さんが受けるべきワクチンの種類や時期を確認する
・37.5℃以上の発熱がある時は接種を控える
・発熱していなくても体調が悪いと思った時は、接種前に医師に相談する
<受けた後>
・接種後30分ほどは接種した医療機関の中で様子をみるか、すぐに医療機関と連絡が取れるようにしておく
・激しい運動や飲酒は避ける
・接種部位がひどく腫れる、高熱・ひきつけなどの重い症状が現れた場合は、すぐに受診する
・気になる症状や体調の変化が現れたときには、すぐに医師に相談する
また、予防接種の副反応による健康被害がまれに発生する場合があります。
予防接種と健康被害との因果関係が認定された方のために定期接種・任意接種それぞれの制度があります。
定期接種:予防接種健康被害救済制度